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8:15am....いよいよスタートである。 役員の号令と共に第1組の10名がスタートする。以降1分毎に号令と共に次の10名がスタートする仕組みである。 第1組でスタートしたおのさんが猛然とスタートダッシュ、ロードを従えて先頭に立つBD-1 に思わず歓声を上げる。
1分後に第2組が出発して、いよいよスタートラインに立つ@nak。
もう緊張感はない。走るだけである。
「10秒前」・・・「5秒前・・・4,3,2,1・・・スタート!」
号令と共に何も考えずに走り出す。
「じゃっ!」
同スタートのかぜさんが声を掛けて、ぐいと加速していく。かっこいい〜。
とりあえず(た)さんとランデブー走行で公園のゲートを出て行く。
周りのロードはあっという間に加速していき、@nakはグループ最後尾を走る、
いよいよ始まった・・・そう思いながら。
笠間の市内を抜けて50号に出る。時速25-26Km/hで集団の中を走る。
前方を走っていてペースを落としてきたMTBと後方から追いついてきたロードで出来たグループの中で少しづつ抜かれていきながらも集団走行。
しばらくは抜いていく自転車のゼッケンを気にする。番号の二桁目で出発時間がわかるのである。一喜一憂。
50号を進んで間もなく、後方からものすごいスピードで迫ってくる気配を感じる。
スタートから約17分、7Km/160Km地点でロードの隊列を引き連れてすごいスピードで抜いていく”赤い総帥”ミキさんにあっさり追い抜かれる。
「あっ、ミキさんだ!」と(あ)が言うと
「えっ、もう?違うよぉー」と(た)さん。それくらい早かったのである。
いつもの赤いポケットロケットを渋い色のロードに乗り換えて疾走していく赤い弾丸、ゆっくり確認する余裕もないスピードなのである。
そんなこんなで国道50号をランデブー走行。
坂に差し掛かると数台抜いては、平地ではたくさんのロードに抜き去られるというパターンを繰り返しながら走る。
センチュリーランのコースは一般道であり、当然信号で引っかかることもある。 基本的にはあまり離れず走行していた(あ)と(た)であったが、 岩瀬町に入ったところの信号でついにはぐれてしまった。 (あ)は黄色信号を突っ切ってしまい、(た)さんは減速したのである。
鶴峠、麦草アタック2002、そして今回の笠間センチュリーラン・・・実は最近の(あ)は
ある悩みを抱えながら走っていた。
それは・・・「パートナーをフォローしながら走ることの限界」である。
@nakはいつも(あ)(た)の二人で走っており、
(た)さんのパワーとバイタリティも手伝って、峠企画や今回のような長距離企画にも二人で参加している。
このように二人で走る場合、やはり(あ)(た)はお互いのことが気になるわけで、
自分自身安心することもあって、互いにアシストしながら走っている。
(少なくとも(あ)はそう思っているが・・・笑)
トラブルの対処もろくに出来ないという意味では現実的にはアシストにならないのであるが、
まあ身近な人が近くを走っているというのは精神的に楽なものである。
時々峠の下りなどでお互い単独走行になることもあるが、やはりそういう時は相手が気になる。
大丈夫だろうか?トラブルに巻き込まれていないだろうか?と。
少なくとも(あ)には、女性でありパートナーである(た)さんを自分なりにアシストしたいという
気持ちはある。
ところが最近鶴峠、麦草アタック2002と@nakにとって双方共に実力を100%、
いやそれ以上出し切らないといけない企画が多くなってきた。
互いにアシストする余裕などなく、それぞれが自分のペースで走っていかないと二人ともバテてしまうのである。
そういうケースではお互いを気にせず自分のペースで走ろうということになる。
(た)さんも
「先に行っていいよ」
と言ってくれる。
ところがそうはいっても
「はい、そうですか。じゃあね〜」
と簡単に”見捨てる”わけにはいかないのが人情と言うか・・・悩みどころというか、自分のなかでの葛藤となるのである。
(た)さんの力からすれば大丈夫だ、でも・・・本当に大丈夫だろうか?後方で彼女がトラブったらどうしよう?
でも・・・その前に自分がアップアップだ・・・(^^;)
結局葛藤をした挙句、やはり自分のペースで走らないことにはどうしようもなくなり後方でフォローアップしてくださる余裕のある方々を
勝手にあてにして、単独走行に入るのである。
@nakがバラバラに走っている時・・・それはケンカをした時か、余裕のないときなのである。
そんな葛藤を抱えながら迎えた今回の笠間センチュリーラン・・・実は申し込みをしてから何度か二人で
「笠間はどうやって走ろうか・・・一緒に走る?バラバラに走る?」
「バラバラに走ってトラブったらどうしよう〜」
といった会話を交わしていた。
会話の度、結論は出ず・・・結局方針が出ないまま当日を迎えてしまったのである。
(た)さんとどうやって走ろうか・・・ずっと考えながらスタートした(あ)。
実はスタート後もそれを考えながら走っていた。
お互いスタート時間が離れていれば、あまり悩むこともなかったのかもしれないが、
(「じゃあゴールでね!」という風になっていたはず)
スタートからずっと一緒で、ここまでランデブー走行をしてきた。
ところがここで(た)さんが後方の赤信号に引っ掛かってしまった。
(あ)は交差点を越えてとっさに減速、ゆっくりとしたスピードで追いついてくるのを待つ。
ところがかなり長い信号のようである。なかなか来ない。
前方のグループがどんどん遠ざかっていく。
一旦止まって後ろを振り返る。まだ来ない。
どうしよう・・・
意を決して(あ)は走り始める。ごめん、(た)さん。パンクしたら回収車に乗ってくれ。 未知の160Km、余裕もないし、自分の実力を試したい。 後ろを振り返らずに加速する。こうなったら今度は逆に、追いつかれないことを目標にするしかない。
程なく進むと50号から左折して41号に入る。赤信号に引っ掛かり止まっている時に
「果たしてこれでいいんだろうか?」という思いが頭をよぎる。
それを掻き消すように信号が青にかわり、進めと言っている。
気持ちを「逃げ」モードに切り替えて、発進する。
41号に入ると横風が強くなり、時速がぐんと落ちる。
風と暑さでつらい・・・まだ前半の1/4も走っていないのに。
遅め(25Km/h-27Km/h)のロードの後ろにくっついて行く。
ふとバックミラーを覗くと見慣れたヘルメットと低い物体が迫ってくる。
Phantomに乗ったまきさんだ。
まきさんが追いついてきて言葉をかわす。
「うちの相棒走ってました?」
「走ってた・・・でもかなりつらそうな感じだったよ。」
「そぉーっすかぁ・・・」
罪悪感。
まきさんの後ろにしばらくついて走るが、スピードと勢いが違うのである。
圧倒的な差はなさそうなのであるが、じわじわと確実に差がついていくのである。
そうこうしているうちにまきさんは前方視界から消えていった。
なんとか第1給水ポイント(WaterP)に到着。 ポカリスエットを飲む。 中途半端な気持ちで半分(た)さん待ちモードに入り、長めの休憩を取ってしまう。 須藤さんがやって来て、短い休憩を取ってすぐ出発していった。 いい加減に出発せねば、と準備をはじめたところで(た)さんが到着。 大丈夫かどうか確認をとり、お互い単独で走ることを確認して(あ)はスタートする。 この日(た)さんをゴールで出迎えるまで、ここを最後に顔を合わせないことになる。
実は前半のコース、第1給水ポイント以降はあまり印象がない。 走りに集中していたせいか・・・まきさんに抜かれる前についていっていた 遅めのロードとは給水ポイントからの出発も同じタイミングで(マークされていた???)、今度は後ろにつかれる。 抜かないわりにはぴったりついてきてプレッシャーが掛かる。 そのプレッシャーにのる形で27-28Km/hのペースで走る。途中でロードの後ろに下がり、ついていく。 しばらくその状態が続いて、どこかの登坂で抜いたのを最後に、単独走行になる。
125号から53号に入り第1チェックポイント(CP1)に到着。ここではバナナを食す。 熱射病対策として首筋に掛けていた水が入っていた片方のボトルにポカリスエットを補充する。 もう一本にはまきさんから伝授してもらったグリコーゲン・リキッド+BCAAウォーターが入っている。 ここから以降、短めの休憩を意識してすぐ出発。止まっている時間を短くしてタイムを稼ぐ作戦である。
53号から64号経由で138号、150号に入る。
この区間から前半の残距離と時間が気になり始める。
前の晩、皆と一緒に夕飯を食べながら
「後半スタートが12:30pmくらいだったら何とかなるんじゃないか。」
と言ったおのさんの言葉が実はずっと頭に残っていたのである。
スタートから前半コースの1/4位にあった給水ポイント1まで約1時間、1/2地点にあったチェックポイント1まで
はさらに1時間というペースで走ってきている。
このペースで走れば3/4位の地点にある給水ポイント2には11:15am頃到着、そして前半ゴールである笠間芸術の森公園には
12:30pm頃到着できるはずだ。
まずは給水ポイント2にその予定通りに到着して、メドを付けたいと思いながらひた走る。
チェックポイント1から笠間芸術の森公園間の「前半ルート後半」は比較的平らだったそれまでに比べて
アップダウンが増える。これを変らぬペースで走るのはつらい。
「ロードは軽いギヤを装着していないから登坂ではへばっているロードを抜いていける。」という言葉をなかなか実行に移せず、
既にインナー・ローを使って坂を登っている。後半が思いやられるな、と一瞬頭をよぎるが、「今そこにある危機」に集中。
このゾーンのルートを象徴するように、第2給水ポイントは長い上り坂の頂上にあった。
なんとか11:15am過ぎに到着。
水を飲み干していると、須藤さんがやってくる。
「いやあ、暑いっすねぇ」
と言いながら給水ポイントを素通りして置いていかれる。
あれ???須藤さんは確か第1給水所で(あ)より先に出発したのでは?
抜いた覚えもなし。
64号をひた走り大増、今泉という地名を確認しつつ笠間を目指す。、
筑波山の周りを一周した形になり、何となく前半のメドはついたような気になる。
少しだけペダルが軽くなるが、とにかく時間が気になる。
12:30pmまでに公園に戻りたい、その一心でペダルを廻す。
やがて福原で50号に合流する。合流地点の交差点で信号待ちをしている集団に追いつく。
その後方に見慣れたBD-3の青いフレーム・・・
てんてこさんのBD-R(Birdyを改造したリカンベント)
を発見。
50号に入りしばらくその集団と一緒に走る。
スタート後に走ったコースを逆走する形になり見覚えのある風景が現れる。
気分的に楽になったらなったで余計なことを考える余裕が出来てくる。
体力的には前半でリタイヤかな、という考えが頭をよぎる。
12:10pm・・・笠間市内に入る。街の中心街を横切る道に入る。
もう公園入口まで1,2Kmである。
最後の交差点を右折。曲がると同時に激坂がある。これを登ったところに公園の入口がある。
この激坂は昨日もキツかったが、確か比較的重たいギヤで強引に登っていけた。
前半ゴール間近で気合いは入っている。昨日と同じギヤで登坂開始。
前方のロードがたまらず自転車を降りて押している。
「よし、俺は行けるっ!」とさらに気合いが入る。
・・・が、足がいうことを利かない。大きく減速してバランスを崩しかける。
頭が少しぼっとして、熱中症気味だということに気が付く。
たまらずギヤを軽めに落として回転でジワジワ登っていく。
遅い・・・でもなんとか登る。
最後は短い下りで加速して、公園に戻っていく。
12:30pm、サイクルコンピュータの距離は95Kmを指している。
チェックポイント2(CP2)になんとか到着である。
ハーフセンチュリーの人はここでゴールとなる。
知っている人を探して見渡すが、誰もいない。
CP2のスタンプを押してもらい、朝集合した芝生のあたりに倒れこむ。
配給されたポカリスエットを一口飲んで、しばしぼんやりとする。
2本持参しているボトルはいずれも空である。
うち一本はまきさん直伝のグリコーゲン・リキッド+BCAAウォータが入っていた。
確かにこれのおかげか、空腹感はあまりない。ただやはり口が固形物を欲している。
ドリンクと一緒に摂取していたウイダーインのエネルギージェルを食べ干し、
何とかバー(まきさんに前日コンビニで美味しいと勧められて買った物)を食べる。
おいしい。
グリコーゲン・リキッド+BCAAウォータを再びボトルに作り、もう一方のボトルにはもらった
ポカリスエットの残りを充填。
走り出す準備を整えて・・・再び芝生に座り込んでしまう。
出発する気力が・・・勇気が・・・今一歩足りない。飛行機が離陸しようとして思い切り加速しているのに
エンジン出力が足りず、離陸できない、そんな感じなのである。
再びぼーっと座っていると、てんてこさんが登場。
言葉を交わす。てんてこさんは少し休憩した後に「じゃあ行って来ます!」と出発してしまった。
そして・・・いでぐちさんも登場。彼もすぐ出発していった。
皆凄いなあ、と感心。他人事モード。
結局随分休憩を取ってしまった。20分近く座っていただろうか・・・(た)さんが現れたならば、後半は一緒に走っても
いいかな、と思っていた。
しかし結局現れなかった。
おのさんの
「12:30pmまでに出発すれば何とか・・・」
という言葉が頭をよぎる。もうすぐ1:00pmである。後半走るのであればいい加減に出発せねば。
前半終了時点で既に95Km位・・・160Kmの半分以上走っている。後半はもっと短いはずだ。
一応係の女性に後半の距離をたずねると、60〜70Kmとのこと。距離的には前半より少ない。平均20Km/hをキープすればなんとか16:00〜17:00pmまでに
帰ってこれる。
よし、行ってみよう。・・・エンジンがやっと吹けあがり、前輪が離陸した。
自転車にまたがり、公園の裏出口を目指して出発する。
さていよいよ後半スタートである・・・つづく
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