2002.09 笠間センチュリーラン2002




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後半〜ゴール

1:00pm....後半スタートである。 笠間芸術の森公園の裏側出口を出発。

結論から言うと、この日の(あ)は前半のオーバーペースが祟り後半ガクンとペースが落ちたのである。 前半を約4時間ちょっと、他の人から見ればそんなに速いペースではないのであるが、 あの暑さの中、後半に余力を残して走るには(あ)の実力ではちょっと速過ぎたのかもしれない。
この前半のオーバーペース、 それはまるでこのレポートの進行具合のようであり、前半が終わるまでに丸々2ページを費やしてしまった。 後半は前半より約20Km少ないものの、70Kmのコースであり、峠もある。 しかし、記憶が半分トンデいることもあって、ココまでの文量に比べるとあっという間に 終わってしまうことを了承頂きたい。


中山峠までは昨日試走したルートであるので少し気が楽である。 気が楽であるはずなのであるが、重い。中途半端な休憩が逆効果だったのか、ペダルがぜんぜん回らない。 公園を出てすぐにある登り坂、昨日は快調に登れたのであるが、今日はさっぱり登れない。 そんなバカな、という意地だけで登っていく・・・インナーローギヤで。
61号に出て中山峠を目指す。峠頂上まで約17Km、無休憩で走る。 一度走ったところにしては気楽さがない。 緩やかなはずの登坂がキツイ。坂の途中でロードの2人組が座り込んで太腿をたたいている。 足をつりそうにはならないのが助かるが、さっきから少しづつ膝に違和感を感じるようになってきた。 中山峠の登りはそれ程長くなく、頂上までなんとかたどり着く。 昨日休んだところに倒れ込む。 日陰になっていて涼しい。
休んでいると、見慣れた姿が登ってくる。 あれぇ〜???また須藤さんだ。自分は須藤さんを抜いた覚えが一回も無いのに、何故か今日3回も抜かれている。 いつもニコニコ楽しそうに、
「暑いですね〜!」
と声を掛けて走り去っていく須藤さん。余裕の表情である。

いかん、随分ぼけーっとしてしまった、ということで出発。 中山峠の下り以降は昨日の試走の範囲外ということで、ここからは未知の世界である。 気持ちいい下りを楽しんでからはしばらく黙々と走る。(記憶がないということ)
常北町に入り地図ではコースが左に折れている左折ポイントが近づく。 交差点手前にセブンイレブンがあり、自転車が何台か停まっている。うち1台は自分と同じカラーリング・・・ てんてこさんのBD-Rだ。うーっ、余裕だ。こっちは休んでいる余裕などあまりない。
案の定、左折して急な坂を登ろうとしていたところに追いつかれてしまった。 (実は廻りに誰もいなくなり、ふとコースミスが不安になり止ってしまっていたのである。) しばらくてんてこさんについていくが、置いていかれてしまった。 ここにきて随分膝が痛くなってしまった。 左をかばって走っていたら右も痛くなってきてしまったのである。 もう少しで後半の半分、チェックポイント3(CP3)が近い。それだけを励みに走る。


下圷から橋を渡って那珂川を渡る。 再び川を渡るまで平地走行が続くが、膝が痛くてスピードが出ない。 それに加えて、午後2時を回った一番暑い時間帯に、膝に神経が行ってしまって給水を怠っていたようだ。 ちょっと熱中症気味で頭がぼーっとしてしまった。 ここまで同じ位のペースで走っていたMTBの人(出発も同じ位の時間帯)と抜きつ抜かれつ低レベルのバトルを演じながら、 小野までたどり着く。再び那珂川を渡る為に橋を渡るのであるが、左手に見える橋を横目に一旦右折して、 大回りしてトンネルをくぐって橋を渡る。この大回りに悪態をつきながら橋を渡って チェックポイント3(CP3)に到着。到着するとちょうど出発準備を終えたてんてこさんと須藤さんの出発をお見送りすることに。

チェックポイント3(CP3)でも思わず長めの休憩を取ってしまった。膝がそれを求めていて、座り込んだまま立ち上がれない。 (た)さんはどうしているだろう・・・携帯電話をチェックするが着信もメールもない。ということは、後半も走っているのだろう。 係の人が携帯で連絡を取っている。
「大体半分ちょっとですねぇ〜」
そっか・・・俺は半分ちょっとか、まだ後ろにもそこそこ人がいるのか、とちょっと安堵。真意の程(係の方が何の話をしていたのか) は不明。
時間は15:30pm、残距離は約30Km・・・30Km/hで走れば16:30pmに着くな、などとわけわからんことを考えながら出発準備をする。

CP3から先の行程は断片的にしか覚えていない。この行程がフラットなルートであり、膝の調子も悪くなければ、 心地よい疲労を感じながら完全に惰性で走っていただろう。
覚えているのは、
ペダリングを変えながら騙し騙し走っていたがどうしても膝痛が耐えられなくなり2回ほど自転車を降りたということ。
峠のこと・・・話には聞いていたので覚悟は出来ていたものの、ここに来て本日最大の峠が出現。 サイクルコンピュータをふと見ると走行距離が130Kmちょっとを指している。130Kmを過ぎてから峠!!!
特に、七会村手前、ビーフラインに入る手前の峠はまわりを木々に囲まれたワインディングな登り、 これはもう本格的な峠である。
峠を下りきったところを右折、手前に見えるビーフラインは昨年のコースであり、 昨年の参加者によれば、厳しいアップダウンがあったとのこと。 今年はそれを迂回するルートが設定されてあり、ホッと胸を撫で下ろす。もう峠はいい〜


平地をしばらく走ると再度曲がり角。ここを左折してしばらく行くと最終給水ポイントに到達するはずである。 そこまでいけばメドが立つ。曲がり角には大会の係の人がいて、声をかけてくれた。
「頑張れ!あと2Kmで給水ポイント!」
あと2Kmか、なんとかなりそうだ・・・気合いを入れて行こう、と加速。
しばらく走る。もう2Km位走ったはずである。給水ポイントは出てこない。 疲れているので思いのほか加速していなかったのか・・・
もうちょっと走る。もう確実に2Kmは走ったはずである。給水ポイントは出てこない。 道がだんだん細くなる。
何かおかしいのである・・・
周りには誰もいない。 コースマップでは曲がるような箇所はないのでこの道で正しいはずである。 進むしかない。 しかし、確かに「あと2Km」と言われたはずである。 減速しながら周りを見渡す。「七会村」・・・地名もあっている。
何かおかしいのである・・・
そう思いながらも前進することにする。 ここでコースミスをすれば確実にタイムアウトである。 しかし、前進するしかないのである。 コースミスをしているかどうかもわからないのであるから。とにかく走る・・・
結局給水ポイントは2Kmではなく、7Kmくらい先にあった。 後から聞いた話では、何人もが「あと2Km」に騙されたとのこと、 給水ポイントの係はその後『貴方もですか!』状態だったそうだ。
給水ポイントでドリンクを飲んでいると、係の人に声を掛けられる。
「霞ヶ浦1周大会の時も一番最後の方にこういう小径車が9台くらい(!)になってゴールしてたなぁ〜」
「笑・・・そのひとりでーす!」
「えっ、そうなんだ!・・・あの時はまとまって走っていたけど今回はばらばらなんだねぇ〜」
(すみません・・・実力です。)
「一番最後に小さい子供とお父さんがゴールしてたなー、あの時」
「そうそう・・・あれは良かったですねぇ〜」
しばし思い出話に浸る。
そうこう話しているといでぐちさんが登場。何処で抜いたのだろう?
「奥さん、第3CPで会いました。頑張ってましたよ〜」
ほっ・・・

最終給水ポイントからは「山2つ半越えれてトンネルに入ればあとは平地」とのこと。 いよいよ最後の区間に向けていでぐちさんと共に出発。
いでぐちさん、速い。あっという間に置いていかれる。 坂の中腹まで登ったいでぐちさんが振り返った(気がした)。 きっと「なんでついてこないんだろう」と思われたのだろうが、こっちはもうあっぷあっぷ状態。 ただ、なんとか5時までに到着できるメドが立って気分は随分楽である。
あまりきつくない坂を二つ越えるとトンネルに入る。
「トンネルに入ればあとは平地」・・・その言葉が嬉しい。 一気に加速してトンネルを抜ける。下り基調の直線を下って行くと笠間の町に入っていく。 夕方の混雑のせいか交通量が多く、交差点の先頭に出るのに車を掻き分ける必要があるのは疲れる。
市内をもうしばらく走る必要があると思っていたのであるが、 予想外にゴール間近まで来ていたようである。 気が付くと昨日から数回走ったことがある目抜き通りに出ている。


16:10pm・・・ 午前(前半)の最後にも曲がった最後の交差点をこんどは左折。 曲がると同時に激坂があるのは午前と同じ。坂は逃げてはくれない。 覚えてはいたのであるが・・・・忘れていた。 前半同様軽いギヤで登っていくのは一緒であるが、足取りは10倍しっかりしている。 ゴールが近いという精神的な安堵感がそうさせる。 笠間芸術の森公園の入口を入っていくのは今日二回目ではあるが、今回は違う。 ついにゴールなのである。

16:30pm過ぎ、ゴール到着。
ゴール地点には人もまばらである。1,2時間前であればもう少し人もいただろう。 そのまばらな人が拍手で迎えてくれる。嬉しい。 ゴール前方の芝生に仲間が陣取って既にくつろいでいる。 そこに倒れこむように合流する。
「あれ、(た)さんは?一緒じゃなかったの??」
おのさんに聞かれる。それはこっちが聞きたい。
罪悪感。

もう走らなくてもいいのだ・・・しばらく放心状態で芝生に寝転んで目をつぶる。 時々拍手が聞こえ、誰かがゴールする度に顔を見上げては(た)さんじゃないか確認する。 しばらくしてたかさんがゴール。(た)さんもすぐ後ろから走ってくる、との事。
そして幾度目かの拍手に迎えられて・・・(た)さんのゴール。 まさか彼女がこの暑さの中、160Kmを完走するとは思わなかった。 彼女も涙ぐんでいる。

こうやって@nakの笠間センチュリーラン2002は終わった。



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