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「あの」麦草峠である。
「麦草峠アタック」はおのひろきさん主宰の「BDメーリングリスト」の企画であり、
長野県、JR茅野駅を出発して標高2200m弱の麦草峠までの約30Kmを自転車で登るという企画である。
この企画は@nakが自転車に興味を持ち始めた頃からの既に存在した年中恒例企画であり、
当初は参加者のレポートをみては
「自転車で2200mの山を登るような自虐的な行為のどこがいいんだ!?」
とその意図が掴めなかった。
しかし自転車にのめり込んでいき、どこかを走破した後の達成感の魅力に取り付かれるにつれ、
仲間うちで「『あの』麦草」と言われている麦草峠にちょっとずる興味が沸いてきたのである。
しかし、普段のトレーニングなど皆無な(あ)、(た)であり、隙あらば街中をのんびり散策しては
「やっぱり軟弱最高〜」などとニンマリしているいる@nakが興味だけで「あの」麦草峠なんか登れるわけないのである。
自分たちが知らない世界のお兄ちゃん達がすごいことをやっている・・・そういう感覚でしかなかった。
しかしその興味をまわりの皆が焚き付けるのである。
「@nakは来年麦草だなっ!」
「ちょ・・っちょっと待ったっ!うちが登れるわけないってぇ〜」
こういう会話が何回繰り返されたか。
これも今から思えば廻りの巧みな”洗脳”だったのかもしれない。(^^)
いつの間にかおのさんに真面目に相談している(た)さんがいた。
「本当に登れると思います?」
「冗談でしょ!」が「ひぇ〜っ、マジ?」・・不安と期待に変わっていっていった2001年暮れから2002年初。
ちなみにその時点ではまだ峠経験なし、の@nakであった。
その後名古屋までの自走企画「名古屋キック2001」で箱根の走破、BDMLの風張峠企画といった峠走行企画に参加して峠走行を経験したものの、麦草は一寸かえって遠ざかった。
「こんな大変なことするの〜!?やっぱり大変だ、こりゃ・・・」
その日の体調で実力がばらばらになる@nak。
やっぱり無理なんじゃない?という会話が幾度となく交わされた。
しかし・・・既に洗脳は完了されていたのである。
「麦草峠アタック2002」の参加募集がメーリングリストに流れてきた時は意外にあっさり送信ボタンを押していた。
いろんな不安を振り払うように、何も考えずその場の勢いだけで参加宣言してしまった。
おそらくそうしないといつまで経っても参加宣言できなかっただろう。
(あ):「(た)さん行くで〜!」
(た):「だから『いいよっ』って言ってるじゃん、何回も!(怒)」
(あ):「スンマセン・・・。あ〜あ、送信しちゃった〜」
麦草の約一ヶ月ほど前に「BDML上級者コース企画」として鶴峠を登る企画があり@nak
も参加させてもらった。ボロボロになりながらなんとか鶴峠を登り、皆さんに「これなら麦草も大丈夫」という言葉を頂いた。
今回は本当にその言葉だけが頼りになった。
前週の多摩川1周チャレンジではなんとも無残な結果((た)さん途中リタイヤ、(あ)は90Kmで挫折)を残してしまい、
期待以上の不安を持った参加となった。
しかし、なんとか無事に麦草チャレンジというスタートに@nak2人で立てた喜びを噛み締めながら、
とにかく頑張って無事に走りきろう、いう最低限の目標をもって望んだのである。
7:02am新宿発のあずさ81号に乗るべく出発。朝の5時半起床はある意味今回の最初の難関であったが、なんとか突破。(^^)
途中にちさんと同じ電車になりJR新宿駅到着。
無事あずさ81号のホームに向かうと既に同じ列車に乗車予定のたかさん,にちさん,桑原さん,竹本さん,こぐさんが
既に到着。程なくして電車が到着して乗り込む。自転車のスペースも無事確保。(写真右)
同じ電車に乗車予定のまきさんも乗車して発車のベルが鳴り出す。
あれ、座席がひとつ空いている・・・おのさんがいない。発車のベルが鳴り、ドアがしまる。
「おのさんきっと前の車両に飛び乗ったんだよ。」・・・しばらくしても来ない。
「おのさん、演出するな〜立川から乗ってくるんじゃない?」・・・こぐさんが電話する。
会話をしている。電話が切れる。
「おのさん、まだ家にいるんだって。」
おのさん、約2時間の遅刻である。
大物である。
茅野駅前に降り立つと既に何名かが待機している。早速輪行解除、走行準備に入る。ぱらぱらと人(と自転車)が集まってくる。
前日自走で茅野入りしたミキさんとはぜかるかさんも登場。
各人自転車の準備が出来た頃、おのさんに成り代わってミキさんの仕切りによる自己紹介である。(写真右)
麦草アタック2002の参加者は 1 :200208mugikusa,おのひろき,BD-1 2 :200208mugikusa,ミキ,pocket-rocket(予定) 3 :200208mugikusa,かぜはるか,R600 4 :200208mugikusa,桑原亮介,BD-1ti(2001) 5 :00208mugikusa,こぐ,BD-1w (DB Spezialausfuehrung) 6 :00208mugikusa,にち,BD-1w 7 :00208mugikusa,竹本,MR-4 8 :00208mugikusa,あやち,BD-1c 9 :00208mugikusa,いっとく,AMANDA 10 :00208mugikusa,須藤,Pacific-18 11:200208mugikusa,たか,BD-1 12:200208mugikusa,まき,Sat-R-Day 13:00208mugikusa,@nak(あ),BD-3 14:00208mugikusa,@nak(た),Pacific-18 15:00208mugikusa,吉田信生,BD-3 16:00208mugikusa,平野,BD-3 17:00208mugikusa,kei,BikefridayPocketRocketTriple
同じく前泊していた平野さんもちょっと遅れて到着、おのさんは追いついてもらおうということになり、16名で出発。
吉田さんが先頭で道をリード、最後方はミキさんが担当して茅野駅を出発してまずは最初のコンビニを目指す。
場所柄涼しい事を期待していたのであるが、思いのほか暑い。ゆるやかな登りで汗びっしょりである。
吉田さんはまめに後ろを振り返って調子を気にしてくれる。
麦草峠初挑戦時の吉田さんが「もう帰りたい」と思ったところまでちょっと(笑)走って到着。補給食をゲット。 この暑さが続くとしたら大変だ〜と先がちょっと心配になる。
コンビニを出発して本格走行開始。ゆるやかな登りがずっと続く。晴天も手伝って、景色が素晴らしい。 田園風景とその先に見える八ヶ岳の山々の姿が気分を爽快にさせる。 日差しが強く、基本的には暑いが時折涼しい風も吹いてきて高原を感じさせる。 眼下に広がる風景は勾配を忘れさせる。(実際あまり勾配はなかったようだが、聞いていたように「ずっと登り」である) これから登る峠を一瞬忘れて心地好いサイクリングモード。(写真左)
糸萱大橋を渡ったところの農道入り口で休憩。途中でパンクに見舞われたたかさんを待つ。
農作業をしていたおじさんに(た)さんが気に入られ、赤ジャガイモを一袋もらう。
おじさん曰く「旦那に運ばせりゃいいじゃん。」とのこと。
おいおい・・・(あ)はここからジャガイモ一袋運んで登るハメに。(写真右)
パンク修理完了のたかさんが追いついてきた。
すこしづつ勾配がきつくなるが、依然爽快な田園風景の中を走る。
日を遮るものが何もない中を走行・・・肌がじりじり焼けるのがわかる。
別荘地に入る手前で休憩を取る、ということで少し走ったところで再び予定の休憩。(写真左)
(写真右)予告どおり、別荘地に入ると木陰が現れて一気に涼しくなる。 それと同時それまでの田園風景から一変、いわゆる山道・峠道然として 峠道に入ったことを認識する。
2,3度休憩を取りながら登っていく。(た)さんは調子がいいようで常に先頭集団を軽快に走っている。
勾配の増加にあわせて各人のペースも変わってきて過ごしずつバラける。
休憩ポイントで全員の到着を待つ。山の風は涼しくて気持ちいいのであるが、長い間休んでいるとだんだん冷えていく。
これは集団走行につきものであり、気になる人も多いようだ。(あ)などはそういうもの
(こういう集団走行時には休憩後身体が冷えてしまったらた身体を温めて調子をあげていくもの)だと思っている(鈍感)が、
気になる人は各人走行位置を調整するなりして対処すべきことであろう。異次元の走りを見せるいっとくさんは「先に走ってマース」と言葉を残し、
異次元に行ってしまった。(^^)
(た)さんも早めにスタート、ぐんぐん先行。彼女はこまめの休憩を入れながら走るタイプなので先行していないと追いつかれることを気にしているようである。
先導役の吉田信生も各人自分のペースで登って下さい、とフリー走行宣言。
(写真左)「最後の給水ポイント」・・・売店まで到着。
(た)さんは先行し過ぎていてこのポイントを通過しそうになり呼び戻される。
「調子いいねえ〜」と冷やかされる。
風は涼しくなったものの日差しは依然強く、汗が凄い。水分補給をたっぷり行なう。
おのさんを何処で待つべきかなどと話ながら(「待たないよ、そんな〜」とバッサリ切られた(笑))
ちょっと長めの休憩後、パラパラと出発。(た)さんはさっさと出発。
(写真右)
文市さん、keiさんと一緒に出発。
この二名、かなりハイペースで飛ばす方で引っ張ってもらう。
しばらく走ってこぐさんに追いつくと(た)さんも一緒に走っている。
この日の@nak・・・2人とも体調が良いようで、先行して走行。
しばらく走っていると、後方から黄色いヘルメットが追いかけてくる。
keiさん?かぜさん?・・・いっとくさんは前方にいるはずだし・・・
斜め後ろに迫ってきても正直な話、その人には気が付かなかった。
「この人誰だ???」
「おはようございま〜す!」・・・聞きなれた明るい口調で挨拶された。
お、おのひろき・・・なんでもうこんなところにいるんだ〜
約2時間遅刻したおのさんがついに集団に追いついたのである。しかも後ろからマクって
順番に全員に謝りながら先頭まで登るとの事。
「じゃあまた後で〜」とニコニコしながら再加速していくあの姿は風張峠で坂を下ってきて再びアウターハイで登っていったミキさん以来の衝撃だった。
この人は雲の上の人だ・・・こんな恐れ多い方に「ホームページはこうあるべきだ」なんて偉そうなことを
言っていた自分がはずかしい・・・(笑)
「じゃあまた後で〜」・・・の言葉どおり、程なく後でちゃんとおのさんと再会。
彼は上方から坂を下ってきたのである。いっとくさんに追いついて謝ってきたあと、
再度集団の最後方に戻ってアシスト役を努めるんだという。
コンビニとファミレスはそんなに栄養にいいのか!?
「すごいなあ〜」「すごいなあ〜」を連発しながらゲートを目指す@nakであった・・・そんなこんな。
つづく・・・
August,2002-Nagano Japan
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