2006-08-05 箱根峠ヒルクライム




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まきさんの提案で、4年ぶりに箱根の七曲り(旧道)を登ることになった。自転車で初めて峠を登ったのが箱根の七曲りであり、その時もまきさんに連れて行ってもらったのだった。Bike Friday Tandem Two's Dayが納車されてからなかなか走らせる機会がないまま、いきなり峠に持ち込む事になった。キャプテン、ストーカー共にまだ満足に自転車を乗りこなせていない状態では少々無謀なタンデムでの峠挑戦かと思われたが、まぁ何とかなるだろうという軽い気持ちでタンデムで参加する事にした。当日は走る事よりも初めてのタンデム輪行が上手くいくかどうか心配しながら集合場所の小田原に向かった。

小田原~箱根湯本~(旧東海道)~畑宿~(旧東海道)~芦ノ湖~箱根峠~三島





タンデムであることを考えると非常に小さい折り畳みサイズに感心しながら自宅最寄駅から小田原駅までは輪行。階段を下りて集合場所に着くと、もう一台のタンデムとAir Glideが既に到着していた。


今回のヒルクライムに参加したのはBike Fridayの分割式タンデムであるTandem (Ti-Lite) Travelerに乗るキャプテンのまきさんとストーカーのあさ子さん、そしてBike Friday Air Glideの平野さん、おなじくBike Fridayの折りたたみ式タンデムであるTandem Two's Day Titaniumの(あ)と(た)の合計5名であった。


箱根湯本に向かって小田原駅前を出発する。(あ)と(た)にとってこの日はTandem Two's Dayの実質的な初走行である。駅を出発してから小田原市街を抜ける辺りまでは走り出しのタイミングが合わなかったり、互いに無駄な重心移動をしてしまい自転車が左右にブレたりと、ぎこちない走行が続く。後続の3名はさぞやきもきしたことだろう。
「いち、にぃーの、さんっ!」(漕ぎ出し)
「なんで『ぃーの』が入るのよっ、『いち、に、さんっ!』でしょ。」
といった会話があったとかなかったとか。

国道1号に入ったあたりから少し冷静さを取り戻して真っ直ぐ走れるようになる。(おいおい。) 旧道入口に至る緩やかに続く登りはギヤ選択についての議論で費やされたような気がする。 そうこうしているうちに旧道入口である「三枚橋」の交差点に到達する。 前回同様旧箱根新道経由で七曲り峠を登っていく行程だ。この三枚橋交差点を左折するとすぐにかなりきつい坂が始まる。いよいよタンデムでの登り開始だ。

互いにとって最適なギヤを試行錯誤しながらペースを掴めないまま登りはじめてしまい、 気がついたらあっという間に一番軽いギヤを使い果たしてしまっていた。 スムースとは程遠い、まさにドタバタという表現が似合う登り方だったに違いない。 坂を登りきったところで休憩したが、キャプテンは自転車を降りると同時にフラフラとその場に座り込んでしまった。 車が通過する狭い道幅の登り坂で不慣れな自転車を蛇行させないようにと(失速を恐れて)力が入ってしまったようだ。その結果心拍数が急に上がってオーバーヒート気味になってしまったが、 しばらく休ませてもらうと汗も引いて、何とか復活できた。「顔が真っ赤で頭から湯気が昇って」いたらしく、「早くもタクシーを呼ぶことを考えた」方もいらしたそうで、どうもお騒がせしました。(^^;)


気を取り直して日帰り温泉で人気の天山を通過して、緑が多くなってくる中を走っていく。この日の都内は暑さが厳しかったようだが、緑に囲まれた箱根路を走っていると、時折涼しい風を受ける事が出来てとても気持ちがいい。そうはいっても登り基調に変わりはなく、ポジション調整を兼ねた(という口実で)小休憩を繰り返しながら七曲峠を目指す。出発前に駅前の「ちん里う」で買った梅干を途中の休憩で頬張ったらその酸っぱいこと!全員のしかめっ面が面白かった。


畑宿を通過してしばらく進むと「ここから七曲り」と示す大きな道路標識が現れる。登坂前の小休止を取って、通り掛かったハイカーにお願いして一枚撮ってもらう。



写真提供 : 平野さん

4年ぶりに登る七曲りは思いのほか楽で、あっという間に登ってしまったというのがキャプテンの印象だ。やはりタンデムの方が登坂は楽なのだろうか。綴れ折りの傾斜がキツイところで後ろからググっと押されるようなアシストを感じることができるのが楽しい。途中2回ほど小休止を経て、ちょうど12:00頃に見晴らし茶屋に到着できた。



見晴らし茶屋に到着すると、七曲りを登り切った達成感から芦ノ湖までの行程は殆ど走破し終えたものと思い込んでしまうが、毎度のことながら後に騙されることになるのだ。 この時点ではそんなことを知る由もなく、辛み大根蕎麦と美味しい漬物でランチタイム。


空腹を満たし、見晴らし茶屋を後にして芦ノ湖へ向けて出発。
「大丈夫、ちょっと登ったあとは、下り基調のはずだ。」とは隊長の弁。
隊員A「あれ、ひたすら登っているんですけど」
隊員B「まだまだずっと登ってるんですけど。四年前も騙されたような。」
隊長「これが世に言う嘘つき峠です。」
隊員合唱「う・そ・つ・き・とうげー!」
現れるはずの下り坂を待ち望みつつひたすら目の前の上り坂をひぃこら登っていく。

涼しげな茶屋の前を通りがかり、赤い毛氈の敷かれた野点でなんとも美味しそうなかき氷を召し上がる家族連れがなんとも羨ましく見える。「あーー、美味しそう!」と羨望の声を上げると、「ほれ、がんばってー!もう一息よぉ。」との声援を頂く。軽い会話を交わし、励ましの言葉に気を良くしてもうひとがんばりすることにする。それにしてもずっと道は登っているのだ。 「カーブの先は(きっと)下りだよ。」という言葉に期待を抱くものの、そのカーブに入っていく車のエンジン音が大きく唸りを上げながら遠ざかっていくのを聞いては「まだ登りじゃんー」と裏切られる。
「嘘つき峠♪、嘘つき峠♪」の大合唱を山に響かせながらタンデム二台とエアグライドは登っていく。 太陽が真上からじりじり照り付けて身が焦がされ、汗が噴出し、頭の中がかき氷の映像で満たされた頃、ようやくお待ち兼ねの下り坂が現れたのだった。 「うわっほぉー」


下り坂を一気に下ると正面に芦ノ湖が現れる。遊覧船の発着場に自転車を乗り入れる。 やっと辿り着いたのであるからまずはゆっくりと芦ノ湖を眺めるのが普通と思いきや、全員頭はかき氷でいっぱい。 湖には目もくれず、「氷」ののぼりが下がった喫茶店を目指して一直線に入店。峠を走破した後のかき氷は美味しいに決まっているが、久しぶりに食べたいちごミルクが特に美味しかった。全員しばし無言でかき氷に集中していた。



写真提供 : 平野さん

芦ノ湖でかき氷を堪能して(芦ノ湖はろくに見てない気がする...苦笑)先に進む事にする。湖畔をしばらく走って三島方面に向かって登っていく。三島に向かって登った先が箱根峠だ。こちらは七曲りほどの急勾配ではなかったこともあって、タンデムのペースを少し掴んだ我々は比較的快調に登っていく。箱根峠の道の駅には夏休みを利用した学生サイクリストが多く休憩していたが、タンデムを2台も同時に見ることはめったになないこともあって、注目されてしまった。



写真提供 : 平野さん

道の駅からさらに少し登ったところに箱根峠の頂上がある。国道1号本線合流後で三島へ向かう交通の要所になっている為、トラックストップがある殺風景な場所ではあるが、控えめに標高846mの標識が立っている。その標識を囲んで登頂記念の集合写真をパチリ。

ここからは三島市内に向かって長い下りが続く。タンデムでの峠の登りが初めてであれば、下りも初めてである。下り始めはおっかなびっくりであったが、キャプテンとストーカーが重心を中心においていればホイールベースが長い分安定性はシングルバイクより高い事にすぐ気がついた。2名乗車の重量にその安定性が加わって、あっという間にスピードが上がっていく。スピード感をあまり感じず、気をつけていないとすぐに60km/h近いスピードが出てしまう。

Tandem Two's Dayにはドラムブレーキという減速用の補助ブレーキがついている。これはドラッグブレーキの一種であり、下り坂などブレーキを多用する場面において、リムブレーキの過使用によるリム加熱を防ぐ為にドラムブレーキを掛けてスピード調整を行ってリムブレーキをアシストするものである。まきさんのTi-Lite Travelerはディスクブレーキ仕様であり、ドラムブレーキは付いていないので下りでのブレーキ加熱には気を使う必要があった。途中ブレーキを冷却させるために一旦停止した際に、ディスクに水を掛けてみると、瞬間的に水蒸気化するくらい加熱していたにもかかわらず、Two's Dayのリムは平気で触れる程度の加熱具合で、(実際リムブレーキは多用せず、ドラムブレーキをずっと掛けながら下ってきていた)、ドラムブレーキ自体も大きな冷却フィンが手伝ってか思ったほど熱を持っていなかった。(実はこっちの方が気がかりであった。)ドラムブレーキ素晴らしい。車重増には加担するものの、それに見合う効果大のパーツである。


写真提供 : まきさん

箱根峠から三島市内までは、あっという間に下ってきた。両車共にストーカーはスリル満点だったようだ。また、最後尾からシングルで下ってきた平野さんの「タンデムはあっという間に加速していって全然追いつけなかった。」という言葉が印象的だった。そして、前方でキレイにバンクしながらカーブを切っていくまきさんのタンデムがカッコ良かった。三島神社前で作戦タイムを兼ねた休憩を取る。三島神社はかなり立派な神社のようだ。


駅前の駐輪場に自転車を停めて、サウナで汗を流したあとに待っていたのはウナギ!程よくカリッと焼き上げたウナギが載ったうな重は 空腹も手伝って、非常に美味しかった。久しぶりの本格的なサイクリング、タンデムでの峠初制覇の充実感、そして美味しい食事と充実感いっぱいの一日であった。帰りの電車に揺られながら、心地良い疲れは睡魔となって...Zzzzz

@nakのドタバタタンデムに一日お付き合い頂いたあさ子さん、ひらのさん、まきさん、ありがとうございました。





August,2006-Hakonea,Japan
Canon IXY DIGITAL 400
Canon IXY DIGITAL L(Hirano-san)

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